
高校生の頃、足重に通ったレコード屋がありました
喧噪とした繁華街を抜けて細い路地を入ってすぐ
小さな雑居ビルの最上階にそのお店はありました
これまた幅の狭い階段を上がると
いつもレゲエが流れるそのお店には段ボール箱に
所狭しと詰め込まれたパンク/NWの中古レコードがたくさんあって
お金の無い高校生だったボクはそこを丹念に長い時間をかけて
宝の山から掘り出し物のイカしたレコードを見つけるのが好きでした
そのお店の階段の踊り場の上の方に大きなポスターが貼ってあったのですが
地下鉄の構内らしき所で撮られたそのポスターには
四人の全身真っ黒な出で立ちの男たちが写っていて
皆背を向けているのですが一人だけがなんとも言えない表情で
こちらを振り向いているといったものでした
それはそれはカッコ良くてこっそり剥がして持ち帰り
自分の部屋に貼っていつまでも見ていたいぐらい、、
上手くは言えませんがそれほど魅力的なポスターでした
店を訪れるたびしばし階段の踊り場で
そのモノクロのポスターを見上げたものです
その被写体の男たちが実は英国のバンドJoy Divisionだと知ったのは
その後ほどなくしてのことでした
時はイアン・カーティスが自らの命を絶った次の年ぐらいか、、
New Orderの1stあたりがレコード屋さんには既にあったと思います
まだJoy Divisionというかイアンの影を引きずったままの音をだしていた頃
イアンが自殺した日の事を歌った「Blue Monday」の大ヒットで
彼等がJoy Divisionの呪縛を払拭する前の頃です
先日やっとのことで観た映画「コントロール」
監督はボクが見とれていたそのポスターの写真を撮った本人
フォトグラファーのアントン・コービンその人です
全編モノクロの映画はあのポスターと同じ凛とした空気を
そして孤高な響きを否が応にも感じさせてくれました
きっと映画を観た影響なのでしょうね
帰り道にふと思い出したのが
レコード屋の階段の踊り場にあった
Joy Divisionのモノクロのあのポスターです
その映画館から歩いて行けるほどの距離にある
あのレコード屋さんはもうそこにはありませんが
歩いて行けばふと今でもあの時のように
レコードいっぱいの段ボール箱山積みで
ボクを迎えてくれるような、、そんな錯覚を憶えました
主役のサム・ライリーのイアンのそっくりぶりは当然のこと
メンバーがピストルズのマンチェスターのライブで出会ったとか
”HATE"と書いたジャケットをイアンが着てたりとか
最後の夜に聴いたレコードがイギーの「The Idiot」だとか
どっかで読んだことのある有名エピソードはもちろん
ほんとに当時共演したキャバレー・ボルテールとの
ライブのポスターとかバニーメン等の当時のバンドのポスターとか
色々数えだしたらきりがありませんが
劇中さり気なく写し込まれている
細かいディテールにまでこだわった再現などは
個人的に楽しめましたというか嬉しかったです
でも意外なことにマンチェスターでのロケはいっさい無かったとか
イアンの妻が探し出した愛人の電話番号の書いてあるレコードが
バンシーズの「Join Hands」だったのにはニヤリとてしまいました
一瞬写っただけですがボクも持ってる当時の愛聴盤なので
これは間違いないと思います 笑

- 2008/05/01(木) 00:21:53|
- movie
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2